会津中央病院では、2022年7月にがん治療センターを新たに開設しました。がん治療に対して各分野の専門医や看護師、技師などのあらゆるスタッフがチームを組み、様々な治療技術を戦略的に組み合わせて治療を行うことが重要であると考えています。
がんは多くの場合、早期がんではなく進行がんで発見されます。これらの患者さんには局所治療に加えて全身治療が必要であり、また、転移や再発に対する治療が必要になります。がんの切除においては安全で確実かつ低侵襲(身体に負担が少ないこと)であることが、化学療法や放射線治療においては、日々進歩していく治療方法に対応する高レベルの技術と正確性が求められます。その他にも、がんの進行に合わせて身体的・精神的な負担や苦痛が大きくなる患者さんに対しての緩和ケアも必要となるでしょう。
しかしながら会津地方は地理的な特徴や天候などにより、特にがん治療中の患者さんにとっては移動が楽ではないことがあります。当院では、手術療法・化学療法・放射線療法・緩和ケアを一か所に集結させ、一つの治療として提供できるよう、当センターの構築に着手しました。1階には放射線治療機器を、2階には化学療法・免疫療法のためのベッドを備え、さらには緩和ケアや患者さんのためのアメニティースペースも設けています。すなわち、治療中の患者さんは、必要な時期に必要な治療を一か所で受けることが可能となったのです。
当センターは患者さんにとって何が最良の治療なのかを第一に考え、患者さんと家族の心と身体に寄り添った医療の提供に努めてまいります。