新病院のコンセプト

新病院のコンセプト

従来の病院イメージから脱却し新しい形の医療機関を目指す

中庭に面する総ガラス窓が、外来フロア内に柔らかな光を呼び込み開放的な空間を提供

地域消防機関との情報共有化とネットワーク機能を高め、敏速で正確な救急医療を提供

手術室の面積を大幅に拡大し、再生医療や遠隔医療などの新たらしい形の医療にも対応

ガスエンジンコージェネレーションシステムを導入。
常用の発電を行いながら、排熱を空調熱源及び給湯に利用し、総合エネルギー効率を高める。

 

 

会津の医療に対応した高機能病院を構築

福島県の会津地方は県の北西部に広がり、西は新潟県、北は山形県に接している。地域の人口は32.4万人。千葉県に匹敵する広大な面積を有し、会津若松地方、喜多方地方、南会津地方の3広域市町村圏で構成されている。東西には磐越自動車道など高速交通網は整備されている、会津地方は都市部だけではなく、山岳に囲まれた山間へき地地帯が広く存在している。少子高齢化が進んでいる地域も存在し、そのため心疾患や脳血管疾患などの生活習慣病が急増し、広大なエリアから長時間をかけて病院に搬送される救急件数も年々増加している。

患者さんの送迎や搬送にヘリコプターを活用

会津中央病院では、地域の要望や要請に応えるために夜間照明を備えた独自のヘリポートを設置している。さらにはJFS(ジャパンフライトサービス)と提携して病院専用ヘリコプターを使用した救急医療体制も整備している。医師不足の地域への専門医師派遣や、遠方から会津への専門医搬送、救急患者の病院搬送などが可能となっている。

広大なエリアをカバー出来る体制

会津圏内の高度医療機関は会津若松市に集中しており、喜多方地方の60%、南会津地方の50%の救命患者は、会津若松市に拠点を置く病院まで搬送されている。また、山間部は豪雪地帯であるため冬期間は積雪のために通行に大変な苦労を強いられている地域もあり、広大な面積と独特の気象条件、加速する少子高齢化などの課題をどうクリアーするかが重要である。今回の建物の中には、救命救急センターをはじめ、各科外来、手術室、消化器病センター、脳卒中センターを建物内に設置し、放射線や内視鏡検査センターといった検査部門を充実させ、種々のニーズに敏速に答えられる機能を備えた病院を造る。

コージェネレーションシステム

コージェネレーションシステムは、ガスタービンやディーゼルエンジンで電気を発電する一方、その排出ガスの排熱を利用して給湯・空調などの熱需要をまかなうシステムのことを言う。一般に、燃料を燃やして発電する発電所の効率は40%。残りは排熱になるが、その熱源を有効利用して省エネルギーに繋げるシステムである。電力と廃熱の両方を有効利用することで省エネルギーやCO2排出量の削減など経済性向上ができる。電力需要のピーク時にこのシステムを稼働(自家発電)させることによって、商用系統の電力負荷平準化に寄与する。また、日中は自家発電設備でまかない夜間は夜間契約電力にて運用することでランニングコストを低減する事も出来る。停電時には防災兼用機として利用することができ、非常時にも電力や熱を安定供給できるしすてむだ。

今回の新棟にはこのコージェネレーションシステムが採用されている。大型のガス燃料による高圧発電機を設け、1日当2,600kwhの電力を発電する。地下には600~800m3の温度成層型蓄熱槽を設け、給湯や空調にその熱源を有効利用するシステムとなっており。環境にも省エネルギーにも寄与する建物となっている。

工事状況について

現在、第2次新棟の建設工事は順調に進んでいる。今年の春~夏にかけては掘削工事を中心に工事が施工されてきたが、最近は、リニアック棟の基礎補強工事、手術室棟の渡り廊下解体を終え、免震基礎部分の耐圧板工事に移ってきている。今後の予定としては、掘削工事や杭打ちが行われる他、年末にはタワークレーンが設置され、免震装置の取り付け工事作業に入ってくる予定だ。来年の初夏には各階の躯体工事も完成し8層のタワーが青空の下にそびえたつ。その後、内装や外装が仕上がってくる計画となる。平行して、第2次再構築プロジェクトチームを中心に、外来再構築プロジェクトチーム、手術室プロジェクトチーム、脳卒中センタープロジェクトチーム、消化器病センタープロジェクトチーム、理学療法センタープロジェクトチームなどの各プロジェクトチームが今後の運用を決め、設計事務所と協議しながら設計・設備の検討をしている。

免震構造

今回の建物もウエスト棟と同様に基礎免震構造となり、地震に強い建物となる。第2次新棟の建設地は、旧温泉病院跡地で丘の上に建物が建つような形となる為、外来は既存正面玄関の1階部分から、救命救急センターは3階部分が出入り口となる。その為、免震装置は1階部分と3階部分(実質1階)に設置され、全国的にも珍しい段差式の免震構造となる。この免震工事は全国でもほぼ初めての取り組みで、旃工房設計事務所と数多くの免震設計に関わってきている織本構造設計事務所が、新しい技術を取り入れながら、経験や実績を駆使し構造設計を担当する。日本でも実績のあるトップクラスの構造設計専業事務所が関わり工事が進められる予定だ。

個性あふれる外壁

建物の外観は、外壁パネルに会津でも有名な会津本郷焼「流紋焼」の磁器を埋め込み、モダンで個性的な外壁パネルを制作する。外壁パネルは、精密設計管理のもとに工場で製作され、現場では組み立て作業となる。パネルはサウンドブラストで荒削りをし、打ちっぱなしの部分との間にコントラストをつけ全体的にやわらかい印象に仕上げる。現在、流紋焼の窯元では、試作品の製作に取り組んでいる。形や色合いなど、陶芸家と建築家が一体となって作品を検討しており、試行錯誤しながら仕様を決めている。きっと今までにない外壁が完成し私たちの心を癒やしてくれるだろう。

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