Mitsuru Watanabe

渡部 満

一般財団法人 温知会 /事務長

マネジメントと経営戦略

会津中央病院は、福島県会津若松市にあります。病気や怪我などで悩みや不安を抱えた多くの患者さんが訪れる病院は、従来の病院のイメージを一新させ、新たな医療サービスや空間作りに取り組んでいます。最近は、情報網や交通網の発展から、よりよい医療を求めて周辺地域に住む方だけでなく距離に関係なく病院を選んで来院する患者も増えております。今までの考え方にとらわれず、地域医療を充実させると共にグローバルな考えを持ち展開していく事が大切だと考えています。

高度医療とおもてなし

 会津中央病院では患者ニーズに応えるべく様々な高度医療の提供や患者サービスを展開しています。

新棟には、大型水槽を雄大に泳ぐ熱帯魚が泳ぐ吹き抜けの待合ラウンジ、病室面積を拡張しながらプライバシーに配慮した療養室を設けました。また、個室フロアー(個室の病室)においては、個室マネージャーによるきめ細かいサービスを提供し、専用ラウンジや会議スペース、デスクやインターネット専用端末を準備し環境を整えています。

地下スペースには、アメニティスペース(コンビニ、カフェ、雑貨店、美容室等)を設け治療期間中、患者さんが日常生活と変らない生活が送れるような環境をつくりました。構造面においても建物の免震化、光ファイバーネットワークの構築など信頼ある安心で安全な医療提供に努めています。

「プロジェクトチーム」の編成

こうした新しい取り組みには、各部署から適性人材を招集し「プロジェクトチーム」が編成されています。新しいサービスや考えを積極的に取り入れ評価し、個々の能力を最大限活かし組織をフレキシブルに活用して環境を整え対応しているのです。また、各部署の垣根を取り除き、敏速な情報の伝達・共有化を図りトップの経営方針を理解し速やかに伝達行動できるような体制を確立しています。2011年に発生した東日本大震災は、被災地域からの多くの救急患者搬送や避難者の受入、エネルギーや医薬品の物資不足問題など沢山の問題が生じましたが、敏速で的確なマネジメントにより医療サービスを落とすことなく危機的状況を回避する事ができています。