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会津中央病院 会津外傷再建センター

主な疾患・治療・検査
DISEASE, TREATMENT, INSPECTION

低侵襲性治療
変形性股関節症
かんせつきょうしかしゅじゅつ

 変形性股関節症は股関節の軟骨が磨り減り骨が変形するなどして、痛みが発生したり、機能障害(可動域制限)を招きます。多くは小児期からの病気(股関節脱臼、亜脱臼の残存に伴う臼蓋形成不全など)や事故などのケガの後遺症、大腿骨頭壊死症など様々な原因で引き起こされます。原因なく生じる場合もあります。

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症状について

 主な症状は、股関節の痛みと機能障害です。立ち上がりや歩き始めに足のつけ根(股関節)に痛みが生じたりします。太ももや臀部に痛みを感じることもあります。骨の変形が出てくると、足の屈伸が出来なくなったり、何か物をとろうとしてしゃがむ事も不自由になってきます。酷い場合は安静時や睡眠時にも痛みが出てくるようになります。

 

検査について

レントゲン等の画像診断で診断

変形性股関節症の診断は、レントゲン撮影やCTスキャン、MRI検査などで診断され、変形の度合いや進行状況を確認する事が出来ます。

治療について

保存療法

運動療法

手術を行わないで、運動やストレッチ、筋力トレーニングで体の柔軟性を高め痛みを和らげていく方法です。

薬物療法

運動療法と併用し、痛み止めなどのお薬を使い治療していきます。

 

手術療法

骨切り術

股関節を形成する自分の骨を切って関節の可動域などを改善させる手術です。通常、関節がそれほど傷んでいない場合に行われる治療で、自分の関節を温存し、自分の骨を使用したまま関節のバランスを改善させます。関節の向きを矯正関節にかかる負担を軽減させ、進行を抑制する効果があります。大腿骨側の骨切り術、臼蓋(骨盤)側の骨切り術があり、両方を組合せる方法もあります。関節の変形が少ない時に行えば、長期的に痛みのない生活が期待できますが、将来的に関節症が進行して再び痛みが出てきた場合など、人工関節置換術が必要になる可能性があるなどのデメリットがあります。自分の骨を温存できるメリットがありますが、手術後のリハビリは2~3か月程度かかり治療期間が長くなることがあります。

人工関節置換術

関節の変形が進んだり、軟骨がなくなり他の治療を施しても症状の改善が期待できない場合には、人工関節置換術を実施します。痛みの原因であるすり減った軟骨と傷んだ骨の表面部分を切除して、金属やプラスチックでできた人工の関節に置き換える手術です。関節を形成する骨盤と大腿骨の一部を人工物で置き換えていきます。治療方針やそのタイミングについては、それぞれの患者さんの年齢や変形の程度、症状や社会活動性など患者さんの求める考えによって決定していきます。最近は、切開する範囲も小さく低侵襲的に手術が行えるようになってきました。人工関節置換術は、術後の痛みの改善は早く、確実性にすぐれ、入院期間や社会復帰などにかかる期間は骨切り手術より短くなり利点もあります。