
〇 医師を目指したきっかけは
小学校1年生の時に交通事故で、足が折れて頭も割れるという重傷を負いました。当時の記憶は全くありませんが、3ヶ月も入院していたそうです。ところがその時に担当して下さった先生のお陰で今は何不自由なく生活することが出来ています。それから医師というものに興味を持ち、また、同じような交通外傷の症例でも予後の悪い場合もあると知り、患者さんの為はもちろんのこと患者さんだけではなくその周りの人も幸せに出来るような医師になりたいと思いました。
また、父も医師で、大変忙しそうにしているのを見て育ちましたが、現在自分もとても楽しく仕事をしています。医学部・国家試験に受かった時の父の嬉しそうな顔は忘れられず、医師になって良かったと思っています。〇 研修先に選んだ理由は
大学5年生の時の脳外の研修で、以前中央病院で研修されていた後藤芳明先生に出会い、面倒を見ていただき大変良くして下さいました。その後後藤先生が中央病院で働いていたと知り興味を持ち、先に見学に来ていた同期研修医の後藤晴雄先生に勧められたのがきっかけです。その後実際に見学に来た時に、当時研修中だった先生方がとても楽しそうに研修をしているのを拝見し、研修は自分の頑張り次第で結果が大きく変わるのだから、楽しい病院で研修をするのがいいと思い中央病院に決めました。
また、父親が転勤族だったので京都に住んでいたことがあったのですが、会津藩主だった松平容保が京都守護職を務めていたこともあり、京都と会津の繋がりを知り、いつかは会津を訪れてみたいと興味を持っていたことも影響しています。〇 現在の研修内容・スケジュール
朝の7:00には病院にいるようにしています。その日の検査に目を通したり、カルテチェックをし、7:30に病棟に行き直接患者さんの顔を見て様子を確認します。8:00からは小泉先生、山岸先生とミーティングをし、その日の方針・方向性を話し合い9:30から回診となります。その後は病棟業務を行いつつ、処置があれば処置、往診があればご一緒させていただき19:00~20:00頃にはまた、先生方と翌日以降の治療に向けてミーティングをして一日が終わります。その他空いている時間は主に医局で勉強しています。
オペのある日は、朝のミーティング後9:00にはオペ室に行きその日の準備をし、オペが終わってからは患者さんと一緒に中央ICUに行き様子を窺いながら、検体処理を行います。〇 休日の過ごし方
休日はまず目覚ましを掛けないで好きなだけ寝ます。その後洗濯や掃除をしてから病院に来ます。病院に来なければならないわけではありませんが、自分が出した検査の結果を見たり、外科の緊急オペに入らせてもらったりし、緊急時の対応を勉強させてもらっています。何もなければ、読書が趣味なので小泉先生オススメの本を読んだりし有事の事態に備えています。欲を言えば、これも趣味であるヴァイオリンを弾きたいと思い持ってきてはいるのですが、どうしても夜遅くなってしまうので近所迷惑を考えてなかなか弾くことができません。〇 研修中に困った事
車がないと不便だなと感じることはあります。ただ、車に轢かれた経験から免許を取りたいとは思いませんが…。他には、会津の暮らしは山に囲まれていて気持ちが良く、食事やお酒も美味しいのですが、外科の佐竹先生にはよく食事に連れて行ってもらい、“食い練” と称し、たくさんの量をご馳走してもらっています。そのお陰で来た時よりも太ってしまいました。これは佐竹先生の、『医者は体力が勝負、不健康そうに見える医者に誰が頼れるか』という教えの賜と考えます。〇 今後会津中央病院で研修を考えている医学部生に対して
どこで研修を行おうが結局は自分次第で、頑張るしかないとは思いますが、中央病院ではやらせてもらえる手技が圧倒的に多いのが特徴だと思います。循環器科ではスワンガンツカテーテル、消化器科では胃カメラ、外科では基本的な手術や学会発表、現在の呼吸器科では気管切開など、他の病院ではやらせてもらえないような事でも、指導医の先生方が丁寧に指導して下さいます。忙しい病院では何もさせてもらえず放置される事が多々あると聞きますが、中央病院ではどんなに忙しくてもしっかりと指導して下さいます。研修開始の4月消化器科にてとても印象深いお言葉をいただいたのですが、『お前も俺も患者からしたら同じ1人のドクターだ、責任を持って行動しろ』と言われました。その時は責任を持つということは“怖い” と思いましたが、やりがいもありますし、指導して下さる先生方がしっかりとフォローして下さるので安心して学ぶ事が出来ます。また、どの科をまわっても上の先生方との距離が近く、直に接する事ができるのも特徴だと思います。しっかりと学ぶ環境を整えて下さり、長年培われてきた技術を直にお教え頂く事ができます。今回の気管切開の際にも、山岸先生の丁寧で繊細な手技を惜しげもなく教えて下さいました。〇 指導医から見た花田先生
小泉先生
今回オペが少ないのが残念だけど、向上心に富みとても素晴らしい。花田先生は基本を大事にする・初心を忘れないという姿勢が見て取れる点が良いと思います。先日一緒に磐梯山に登った時も、付いてくるのがやっとだったようですが、めげずに登頂したことが花田先生の性格を現わしていると思いました。
山岸先生
花田先生は一言で、“とても真面目である!” と言えます。積極的に学び、そつなくこなす。でも慎重さも兼ね備えているので指導のしがいがある先生です。教えたことは必ず実践し、吸収しようとするその姿勢は大変素晴らしく思います。初心を持って臨床を続けていけば、良いドクターになれる資質があるので、ぜひ呼吸器外科医になっていただき将来一緒に働きたい、そんな風に思える後輩です。
外科 佐竹先生
真面目で、休みの日は病院に来て隙あらば何かを学ぼうと待機している点からもわかるように、向上心があり積極的で大変かわいい後輩です。まだまだ医師としての体力はないけど、半年経って少しずつ体育会系になってきたかなとは思います。これから色々な経験を積んで、患者さんを家族同様に大事にできる良いお医者さんになって下さい(医は仁術なり)。