救命救急センター
救命救急センター
会津中央病院救命救急センター
会津中央病院救命救急センターは、1986年に会津地域の第3次救命救急センターに指定され、約30年の歴史があります。
会津地域唯一の3次救急医療機関で、地域のニーズに応え、軽症から重症まで広範な患者に対応しています。
会津地区は、千葉県とほぼ同じ面積を有し、それにもかかわらず峠の天候不良のためにドクターヘリが入って来られないことの多い会津地域において、約30年前に導入されたドクターカーの重要性は現在も変わりません。会津ドクターカーの特徴は、24時間・365日稼働していること、たとえて言えば動く集中治療室および手術室(気管挿管・人工呼吸・大動脈内バルーン閉塞や開胸といった侵襲的な手技、動脈圧などのモニタリング、循環作動薬等の精密持続注入が可能)であることです。ドクターカーとドクターヘリ・防災ヘリ・当院のヘリコプターとの協働も行っています。
心療内科医が救命センターに常勤していることも、市中病院としては珍しい当センターの特徴です。自殺企図の中毒や外傷、外傷を契機に精神に変調をきたした患者に対し、早期に介入しています。
会津中央病院 救命救急センター – Aidu Chuo Hospital Medical emergency center
福島県会津若松市にある会津中央病院救命救急センターのサイトです。
新しい形の搬送システムドクターカー・ラピッドレスポンスヘリ
当院救命救急センターでの医療圏は、会津医療圏(会津若松・喜多方)と南会津医療圏の二つの医療圏をカバーしております。その面積は、福島県の約半分、千葉県に匹敵する面積を有していて、この広大な地域において救急医療を提供するためのツールの一つとして、ドクターカーを運行しています。
ドクターカーは、様々な病院で運用を行なっていますが、各地域の実情に応じ、ステーションワゴンやセダン、場合によっては軽自動車などの様々な車種が用いられています。当院では、2tトラックをベースとした救急車を使用しており、「除細動器」「人工呼吸器」「超音波診断装置」等の医療機器を搭載し、治療を行ないながら搬送を行なう方式を採用しています。
また、ドクターカーと連携して運用を行なう小型ヘリの運航も開始しました。私たちはこのヘリを「ラピッド・レスポンス・ヘリ」と呼んでいますが、第1の目的としては、医師・看護師を先行させ治療開始までの時間を更に短縮させるためのものです。今後も、地域の特色を理解し、また持てるツールを全て使い、会津地域の救急医療の充実を図っています。
DMAT について
当院は、会津二次医療圏の災害拠点病院として、災害医療への取り組みの一つである、日本DMAT指定医療機関となっており、先の東日本大震災においても、チーム派遣を行ないました。DMATとは「災害急性期に活動できる機動性を持ち、被災地へ迅速に駆けつけ救急医療を提供するための専門的な訓練を受けた医療チーム」のことで「Disaster Medical Assistance Team」の頭文字を略しDMATと呼ばれています。
DMATは、災害発生直後の急性期(概ね48時間以内)に活動を行ないますが、「現場活動」「病院支援」「広域医療搬送」「地域医療搬送(域内搬送)」「航空搬送拠点臨時医療施設(ステージングケアユニット:SCU)」が主な活動内容となっており、消防、警察、自衛隊、その他関係機関と連携を密にし救急医療の提供を行ないます。
- 現場活動
災害現場で行なう医療活動で、トリアージ、緊急治療、がれきの下の医療等を指す。 - 航空搬送拠点臨時医療施設(ステージングケアユニット:SCU)
主に、航空機搬送に際し、患者様の症状を安定化させ搬送を実施するための救護所として必要に応じ被災地域内外の航空搬送拠点に設置、安定化治療、管理、運営を行なう。 - 病院支援
被災地域内の病院への医療支援。多数の傷病者が来院している病院からの情報発信、当該病院でのトリアージ、医療支援、広域搬送のためのトリアージなどを行なう。 - 広域医療搬送
被災地域での対応困難な重症患者を被災地外へ搬送、緊急治療を行なうために国が政府の各機関の協力も下で行なう活動。自衛隊機等による航空搬送時の治療、SCUにおける診療、運営等も含む。 - 地域医療搬送(域内搬送)
災害現場から被災地域内の医療機関への搬送、被災地域内医療機関からSCUまたは近隣地域の医療機関への搬送などを行なう。
救急科 後期研修医募集
会津中央病院救命救急センターは、後期研修医を募集しています。特徴あるこの救急センターで学んでみませんか?
会津地域唯一の3次救急医療機関で、千葉県にも相当する広大な地域をカバーするため、ドクターカーやラピッドレポンスヘリなどprehospital careにも力を入れております。
〇 救急科専門研修の実際
専攻医のみなさんには、以下の学習方法で専門研修を行っていただきます。
① 臨床現場での学習
経験豊富な指導医が中心となり救急科専門医や他領域の専門医とも協働して、専攻医のみなさんに広く臨床現場での学習を提供します。
1) 救急診療や手術での実地修練(on-the-job training)
2) 診療科におけるカンファレンスおよび関連診療科との合同カンファレンス
3) 抄読会・勉強会への参加
4) 臨床現場でのシミュレーションシステムを利用した、知識・技能の習得
② 臨床現場を離れた学習
国内外の標準的治療および先進的・研究的治療を学習するために、救急医学に関連する学術集会、セミナー、講演会およびJATEC、JPTEC、ICLS(AHA/ACLS を含む)コースなどのoff-the-job training courseに積極的に参加していただきます(参加費用の一部は研修プログラムで負担いたします)。
また、救急科領域で必須となっているICLSコースは院内で毎月開催されていますので、履修および救命処置法の習得のみならず、インストラクターとして参加できるように配慮し、その指導法を学んでいただきます。研修施設もしくは日本救急医学会やその関連学会が開催する認定された法制・倫理・安全に関する講習に、それぞれ少なくとも1回は参加していただく機会を用意いたします。
③ 自己学習
専門研修期間中の疾患や病態の経験値の不足を補うために、日本救急医学会やその関連学会が準備する「救急診療指針」、e-Learningなどを活用した学習を病院内や自宅で利用できる機会を提供します。
〇 研修プログラムの実際
本専門研修プログラムは、各専攻医のみなさんの希望を考慮し、個々の基本モジュールの内容を吟味した上で、基幹施設・連携施設のいずれの施設からの開始に対しても対応できるような研修コースです。
本専門研修プログラムによる救急科専門医取得後には、サブスペシャルティ領域である「集中治療医学領域専門研修プログラム」に進んだり、救急科関連領域の医療技術向上および専門医取得を目指す臨床研修や、リサーチマインドの醸成および医学博士号取得を目指す研究活動を選択したりすることが可能です。
また本専門研修プログラム管理委員会は、基幹研修施設である会津中央病院の初期臨床研修管理委員会と協力し、大学卒業後2 年以内の初期臨床研修医の希望に応じて、将来、救急科を目指すための救急医療に重点を置いた初期臨床研修プログラム作成にもかかわっています。
- 学会などへの参加規定により旅費、宿泊費、学会参会費を支給あり。
- 研修期間: 研修期間は3年間です。
- 研修施設群: 本プログラムは、研修施設要件を満たした6施設によって行います。
心療内科医が救命センターに常勤していることも、市中病院としては珍しい当センターの特徴です。自殺企図の中毒や外傷、外傷を契機に精神に変調をきたした患者に対し、早期に介入しています。
救命救急センター概要
施設名 | 会津中央病院 救命救急センター |
所在地 | 福島県会津若松市 鶴賀町1番1号 |
救急病院認定年月日 | 昭和43年7月20日 |
センター運営開始年月日 | 昭和61年10月1日 |
主な対象疾患 | 多発外傷・広範囲熱傷・中毒・心肺停止・重症感染症・多臓器不全 |
診断・検査・治療について | ・初療室における超音波検査 ・緊急CT 検査(基本的に救命センター医師が操作するため、迅速に検査が開始されます。) ・顔面・胸部・腹部・腰部・骨盤の血管損傷に対する血管造影と経カテーテル動脈塞栓術 ・体幹部外傷患者の緊急手術:心臓・肺・肝・胆・膵・脾・腎・消化管 ・重症軟部組織感染症の経皮的あるいは切開ドレナージ |
特に力を入れている治療 | ・心停止後症候群に対する脳低温療法を含む集中治療 ・急性呼吸不全に対する膜型人工肺(ECMO) 装着 |
学会認定 | 日本救急医学会専門医指定施設 |
センター運営病床数 | 20床(ICU 9床・HCU 10床・熱傷ベット1床) |
センター入院患者延数 | 5,874人/年 |
センター外来患者実数 | 4,678人/年 |
センター入院患者実数 | 1,090人/年 |
救急自動車搬送受入人数 | 4,000人/年 |
ドクターカー | 2台+1台(高規格救急車) |
DMATカー | 1台 |
ドクターカー運行件数 | 335人/年 |