◇ 呼吸器科・呼吸器外科
1997年から胸腔鏡手術を導入し、2000年4月1日から会津中央病院呼吸器科・呼吸器外科として内科的呼吸器疾患から外科治療を要する良性・悪性疾患(肺・胸壁・縦隔)に対して患者さんと一緒に頑張ってきました。特に肺癌外科治療を中心にいかに患者さんの負担を減らすことが出来るか、言い換えると、どうしたら手術後も十分な予備力を残して社会復帰をしていただけるかを研究し実践してきました。心臓疾患、肺疾患など予備力の少ない患者さん、あるいは超高齢の方にこそこれまでに培ってきた負担の少ない胸腔鏡手術を積極的に応用したいと日々努力していきたいと考えています。会津中央病院は呼吸器外科専門医合同委員会の修練関連施設の認定のもとで日々の治療に当たっております。
◇ 呼吸器科として
COPD、気管支喘息などの重症閉塞性肺疾患、さらにこれらに併発した重症肺炎ならびに間質性肺炎・肺線維症の急性増悪の入院治療・集中管理を施行し治療効果を挙げてきました。肺癌などの胸部悪性腫瘍に対しては患者さんに合わせた化学療法と放射線治療を放射線科との連携のもと合同症例検討会で最適の治療法を患者さんならびにご家族と相談し実践してきました。患者さんの社会的活動能力の維持とともに通院化学療法を含めた良好で充実した日常生活を実現するべく努力しています。この間、日本医科大学呼吸器内科の肺癌専門医、びまん性肺疾患専門医の指導を仰ぎ患者さんの病状に即した治療を心がけてきました。
◇ 呼吸器外科として
会津中央病院呼吸器外科として年間約70例の外科治療症例のうち、肺癌をはじめ転移性肺腫瘍、縦隔腫瘍、胸膜腫瘍、気腫性肺疾患に対して胸腔鏡手術を第一選択で施行しております。特に肺癌に対する外科治療では当院の特色である胸腔鏡手術を平成9年(1997年)から導入し、平成12年(2000年)4月1日、日本医科大学呼吸器外科(小泉 潔部長・教授)の関連施設として三上 厳部長のもと呼吸器・呼吸器外科として開設しました。以来、積極的に呼吸器外科手術に胸腔鏡手術を導入し、岡田大輔部長から山岸茂樹部長へと受け継がれ、患者さんの肉体的負担軽減と治癒度を兼ね備えた低侵襲性的な外科治療目指して患者さんと一緒に頑張ってきました。
◇ 気管支鏡検査
悪性疾患を主に組織学的確定診断として年間約**例施行し病理部との連携のもと迅速で的確な確断を得るために努力しています。また、痰が多い患者さんの気管支鏡下吸痰や気道内への異物の誤嚥などの除去などに積極的に取り組んでいます。
◇ 主な対象疾患
呼吸器科
 肺炎、気管支喘息、間質性肺炎、COPD、原発性肺癌

呼吸器外科
 良性疾患: 肺疾患:自然気胸、良性肺腫瘍、感染性肺疾患(肺真菌症、肺膿瘍)
 胸膜疾患: 胸膜腫瘍、膿胸
 縦隔疾患: 気管支嚢腫などの良性縦隔腫瘍
 悪性疾患: 肺疾患:原発性肺癌、転移性肺腫瘍
 胸膜疾患: 悪性胸膜腫瘍、悪性胸膜中皮腫
 縦隔疾患: 胸腺腫、胸腺癌
◇ 呼吸器科 研修の特徴
呼吸器・呼吸器外科は2000年から日本医科大学呼吸器外科の関連施設として開設されました。スタッフは呼吸器外科専門医であり、同時に呼吸器内科学においても日本呼吸器病学会専門医を取得しています。診療の対象は対象疾患にお示ししましたように呼吸器疾患全般に及びます。内科的には市中肺炎などの感染症からCOPDなどの閉塞性肺疾患、また間質性肺炎急性増悪などが重要となります。呼吸器外科としは全ての外科的疾患を対象としていますが、当科は1997年から日本医科大学呼吸器外科の関連施設として開設されている関係から、早くから胸腔鏡手術を導入し良性疾患から悪性疾患、特に肺癌外科治療を重点課題として取り組んできました。研修医には呼吸器内科・呼吸器外科の両面から研修課題をかかげ研修されることを希望しています。呼吸器疾患を病態生理から診断学・治療学へと研修していただきます。臨床研修ですのでベッドサイドで要求される処置、検査、検査結果の解析、検査手技の履修、呼吸管理法の理解が必須です。また、呼吸器外科学では周術期管理を病態生理学的に研修し、さらに基本胸部解剖学、基本呼吸器外科的手技を履修していただきます。短い期間での履修項目が多く大変ですがやりがいのある研修になると考えています。
 

山岸 茂樹 Shigeki Yamagishi

履歴:
日本医科大学卒
日本医科大学外科学講座呼吸器外科部門助教
一般財団法人温知会会津中央病院呼吸器科・呼吸器外科部長
資格:
医学博士、日本外科学会専門医、日本胸部外科学会専門医、日本呼吸器外科学会専門医
日本外科学会認定医、日本がん治療暫定教育医
所属学会:
日本外科学会、日本胸部外科学会、日本呼吸器外科学会
日本内視鏡外科学会、日本呼吸器学会、日本肺癌学会