◇ 消化器科について
消化器科では大学病院と同様な形態を取り、肝胆膵疾患と消化管疾患に区別し、専門の先生だけが診断・治療を行う事で、正確な診断、高度な治療を可能としています。
一般の患者さんからみれば、消化器内科医であれば消化器疾患はどの診断も治療も可能と考えがちですが、胃の内視鏡検査一つとってみても、胃・大腸の専門の先生が行えば、一般の先生が見落とす小さな癌の病変も発見可能です。胆・膵の検査、大腸の検査は専門の先生が行うのとそうでない先生が行うのでは、処置時間、成功率に格段な差があります。おかげさまで、当科では胆・膵の検査、大腸の検査は中央病院で施行した方が楽で早かったとの声が多く寄せられています。そう言った観点から当科ではspecialistが行う専門的な診断・治療を看板に掲げて10年以上継続しています。
◇ 診療科の特徴(特に力を入れている疾患)
■ 胆・膵疾患
胆・膵の癌は非常に予後不良であり、膵癌、胆嚢癌を早期の段階で発見するという目標は、我々のグループで掲げている永遠のテーマであり、日々努力を行っています。膵癌の治療は時代とともに大きな転換期を迎えており、手術、抗がん剤、粒子線治療、ワクチン治療などの多彩な選択が可能となってきています。大学病院や他の医療機関とも親密に連携を取り、膵癌に対しては現在考えらえる最前な治療を提案する努力をしています。膵癌・胆嚢癌・胆管癌と診断された方は是非一度ご相談に来てください。
膵癌は遺伝子の病気である事もわかってきています。膵癌は早期の段階では症状はありません。血縁者に膵癌がいて、40才を越えている人、特に糖尿病も持っている人は膵癌発症の危険性が高まるため、一度ご相談に来て下さい。(岩尾、宮田、野村、多田の外来まで)
これだけ力を入れて行っているので当然ではありますが、胆膵の検査・治療件数は福島県では最多の件数となっています。
■ 消化管疾患
財団法人早期胃癌検診協会との密な連携・バックアップの基、常に最新の診断学を取り入れながら、早期の胃癌・大腸がんの診断を行っています。早期胃癌における内視鏡治療(ESD)においても会津で最多の症例数を有し、早期癌以外の進行がんも総合病院のメリットを十分に生かし、他科との連携により全身化学療法・放射線治療を組み合わせた集学的治療を行っています。また、地域中核病院として、消化性潰瘍・静脈瘤治療・UC・クローン病の診断管理、緊急性の高い消化管出血や軸捻転・イレウス解除まで幅広く行っています。
早期胃癌の内視鏡治療は早期胃癌検診協会(東京)のグループが中心となって施行しています(長浜、平嶋、宮本、中島、千葉、宇賀治)。相談があるようなら千葉、宇賀治の外来に受診して下さい。
◇ 研修医に一言
当科では、胆・膵疾患グループ、消化管疾患グループに分けて各専門医が治療にあたっておりますので、より専門的な知識や技術を習得する事が出来ます。上部内視鏡と下部内視鏡の検査件数だけでも、年間1万件以上行っておりますので、最多の症例数を有しております。
 

岩尾年康 Toshiyasu Iwao

消化器部長

出身大学:
広島大学(平成元年卒業)
学  会:
内科学会、消化器病学会、消化器内視鏡学会、胆道学会、膵臓学会
資  格:
内科学会認定医、消化器病学会専門医、消化器内視鏡学会指導医、胆道学会指導医
一  言:
会津圏内から膵癌で亡くなる患者さんを無くす事を目標にやっています。