◇ 麻酔科の特徴
現在当科は麻酔科指導医2名、標榜医4名で日々の手術麻酔にあたっています。当院は救命救急センターのある総合病院のため、緊急手術が多いのが特徴です。年間手術件数は約3600件でそのうち麻酔科依頼は約2200件。各種外科(外科、整形外科、脳外科、婦人科、呼吸器外科、循環器外科、泌尿器科、形成外科、眼科、救命科、口腔外科etc.)の定時の麻酔が2/3、緊急手術(脳外科疾患、外傷、急性腹症、婦人科疾患など)の麻酔が1/3となっています。
当院は日本麻酔科学会の麻酔科認定病院であるため、当院で経験した症例は標榜医申請時はもちろん、認定医、専門医申請時にも加えることが可能です。
◇ 手術症例数
手術部位 2017年 2018年
脳神経・脳血管 163 150
胸腔・縦隔 57 58
心臓・血管 45 59
胸腔+腹部 7 9
上腹部内臓 173 161
下腹部内臓 457 485
分娩 154 133
頭頸部・咽喉部 385 377
胸壁・腹壁・会陰 146 172
脊椎 42 47
股関節・四肢(含:末梢神経) 492 377
検査 0 0
その他 14 21
合計 2135 2049
◇ 麻酔数
麻酔種別 2018年 2019年
吸入麻酔 350 392
吸入+他 959 776
局所麻酔 876 892
腰椎麻酔 543 416
神経ブロック 194 134
静脈麻酔 136 129
全静脈麻酔 95 194
全静+他 404 585
無麻酔 27 44
硬膜外麻酔 0 1
合計 3584 3563
◇ 初期研修カリキュラム
基本的に一日1~2件の全身麻酔症例を経験させます。毎日カンファランスがあり、そこで術前状態を把握し、術中の全身管理、術後鎮痛管理を指導医とともに指示を仰ぎながら毎日こなしていきます。一例一例になんらかの問題点や合併症があり、それを一つ一つ解決していくことによって患者さんの全身状態を把握する能力をつけます。
教科書に書いてあるような知識は各自勉強しなくてはなりません。臨床研修で大切なのはそういった知識を患者さんとどう結びつけるか(技術的なことを含む)ということだと思います。その方向性は示してあげたいと思います。あとは自分次第です。
◇ 研修医へ
会津地域は内陸の盆地のため冬は-10℃、夏は40℃近くまで上がり、実に50℃近くの温度差が経験できます。ここに住めればどこに行っても大丈夫です。まわりは全て山で、春夏秋冬季節に応じた自然を満喫できます。春はお城でお花見、夏は猪苗代湖、秋は紅葉、冬はスキー・スノボーと、自然が好きな人にとってはたまりません。
最後に・・私たちは医師であり、科学者です。そのため自然の摂理、生命科学の探求は一生涯続きます。引退するまで勉強しなければなりません。2番じゃだめです。1番を目指してなんでもいいので極めれば、何かきらりと光るものを持った臨床医になれると思います。
◇ 研修後
麻酔科は色々な症例を経験することが必要です。この症例の意味は、様々な疾患ばかりでなく、様々な外科の医師との関わりも含まれます。そのため一施設だけにいてはだめで、多数病院を回り色々な症例を経験する必要があると思います。大学の医局に入り、色々な病院を経験することをすすめます。