外科研修プログラム
■ 一般目標
外科臨床医として、診療・病態に対する知識、技能を現場で修練する。
医療者として、患者・家族との人間関係について理解を深める。
基本的な外科的知識・技能を身につける。
■ 行動目標
  1. 入院患者の担当チームの一員として行動する。
    上級医や同僚医師、ほかのスッタフと適切なコミュニケーションがとれる。
    診療のガイドラインやクリニカル・パスを理解し、活用できる。包帯法、注射、採血、穿刺、創処置ガーゼ交換が行える。
    安静・食事・入浴などの療養指導が行える。
  2. 患者の病態の変化を観察、把握しカルテに記載する。
    十分に問診と病歴・身体所見が取れ、問題点を整理したカルテ記載が行える。
    基本的な処方が行える。
    症例を十分に把握し症例呈示ができ、議論が行える。
  3. 輸液療法を理解し、実施する。(高カロリー輸液を含む)
    抗生物質・解熱剤・鎮痛剤等の薬物について理解し、治療が行える。
    輸血療法の副作用等を理解し、輸血が安全に行える。
    静脈確保等の注射が行える。
  4. 基本的手術手技を習得する。
    皮膚切開、縫合、結紮、抜糸、導尿法、局所麻酔法等が行える。
    ドレーン・チューブ管理が行える。
    胃管の挿入と管理が行える。
    圧迫止血、創洗浄が行え、軽度の外傷・熱傷処置が行える。
  5. 清潔・不潔の概念を理解し、消毒法・手洗い法を習得し、スタンダードプレコーションを理解する。
  6. 救急患者に対する外科的救急処置を理解する。
    全身の観察が出来、バイタルサイン等の全身状態および重症度が把握できる。
    単純X線・血液ガス分析・生化学検査所見を判断解釈できる。
  7. 骨折等の外傷での初期治療と専門医への引継ぎなどについて理解する。
    骨・筋肉・関節系の観察が行える。
  8. 整形外科・心臓血管外科・呼吸器外科・脳外科などの外科管関連疾患を理解する。
  9. 患者・家族の気持ちを理解でき、プライバシーへの配慮が出来る。
    インフォームドコンセントを理解する。
    診断書・死亡診断書が記載できる。
■ 研修スケジュール(一般外科の場合)
  1. 午前8時までに受け持ち患者の病態を観察・把握し報告する。
  2. レントゲン検査・内視鏡検査・超音波検査を随時行う。
  3. 病棟回診をチームで行い、治療戦略の構築をし、指示する。
  4. 担当患者の手術に際しては、手洗いを行い、助手として参加する。
  5. 毎週金曜日の術前症例検討会で、症例のプレゼンテーションを行い、治療方針の説明を行う。
  6. 毎週1回の消化器内科との合同検討会に参加し研修する。
  7. 救急外来での救急処置、救命救急センターでの重症患者の集中治療を行う。
  8. 入院患者とのコミュニケーションを密にとり、病態・症状・愁訴に耳を傾け、正確にカルテに記載し、退院時の総括をまとめる。
■ 研修中に執刀医となれる手術例
皮膚膿瘍切開、皮膚良性腫瘍摘出術、虫垂切除術
鼠径ヘルニア根治術、胃空腸吻合術、肛門周囲膿瘍切開術など
 
外科 選択研修プログラム
■ 一般目標
  • 外科的疾患全般につき患者・家族との信頼関係を構築し、術前診断・手術への参加・術後管理・合併症の治療を習得する。
  • 救急疾患に対しての迅速な対応、処置、手術を経験する。
  • 癌末期患者にたいする、終末期医療の対応を会得する。
  • チーム医療の一員として行動できる。
■ 行動目標
  • 基本的診断と手技
  • 解剖・生理の理解、手洗い、消毒法、滅菌法、皮膚切開・皮膚縫合、創面消毒・包交手技
  • 全身管理技
  • 末梢静脈の確保、中心静脈の確保、呼吸管理(呼吸器管理)、循環管理(点滴指示)、チューブ・ドレーン管理
  • 救急・蘇生法
  • 気道確保(気管内挿管・気管切開)、心臓マッサージ、急性腹症・急性循環不全の処置
  • 術前管理
  • 手術適応の理解、術前処置・及びその指示
  • 術後管理
  • 輸液管理、呼吸管理、循環管理、肝・腎機能管理、疼痛管理
  • 手術(チームの施行する手術に助手として参加する)
  • 対象疾患:甲状腺疾患、乳腺疾患、消化器悪性疾患(食道癌・胃癌・大腸癌・肝癌・膵癌・胆道癌)、消化器良性疾患(各部の穿孔性腹膜炎、急性虫垂炎、痔疾患)、腹部外傷、ヘルニア
  • 研修中に執刀医となれる疾患と手術
  • 皮膚膿瘍切開排膿、皮膚良性腫瘍摘出術、良性甲状腺腫摘出術、乳腺良性腫瘍切除術、虫垂切除術、鼠径ヘルニア根治術、胆嚢摘出術(開腹)、胃空腸吻合術、人工肛門造設術、痔核手術、肛門周囲膿瘍切開術
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