消化器科研修プログラム
指導医のもとに患者を担当し、1ヶ月目は消化管グループ、2ヶ月目は胆・膵グループで教育診断、治療、検査に従事する。指導医のもとに初診外来研修を行う。■ 一般目標
内科の診断と治療における基本的な知識、技術を習得し、必要に応じ専門医とコンタクトをとり、診療にあたることができる。一般的な疾患については、診断、経過、予後などについて、適切に患者または家族に説明できる。消化器疾患研修プログラム
■ 行動目標
後期研修として内科を選択したものに対して、最低限の知識、技術取得が出来た場合は、個人の力量に合わせて簡易な手技から段階的にその技術力を養成していきたい。今後消化器内科を目指すものに対する具体的な研修は日本消化器病学会専門医研修カリキュラムを到達目標とするが、以下には今期における到達目標を記載する。- 腹部の診察、直腸診などより正常・異常の鑑別を正しく理解、記載できる。
- 上部・下部消化管内視鏡の適応・禁忌を理解し、その診断ができる。
- 上部消化管内視鏡のスクリーニング検査ならびに生検ができる。
- 腹部超音波検査が実施可能で、診断ができる。
- CT検査の適応・禁忌の理解ならびに、腹部・骨盤(時に胸部)CTにおける消化器疾患の診断ができる。
- ERCPならびにMRCPの適応・禁忌の理解ならびに診断ができる。
- 腹部X線検査、消化管造影検査の実施ならびに診断ができる。
- 各種血液検査ならびに検便・検尿検査を実施ならびにその結果の解釈ができる。
- 食道炎ならびに食道潰瘍、胃・十二指腸炎ならびに潰瘍の薬物療法ができる。
- 慢性・急性膵炎の診断ができ、治療を経験する。
- 食道癌、胃癌、肝癌、膵癌、胆嚢・胆管癌などの消化器癌の薬物療法を経験する。
- 炎症性腸疾患の診断、薬物療法、栄養療法などの治療ができる。
- 腸閉塞の診断ならびにイレウスチューブによる治療ができる。
- 各種慢性肝疾患の診断ならびに治療ができる。
- 各種急性肝疾患の診断ならびに治療ができる。
- 各種肝硬変の診断、またそれに伴う肝不全の治療ができる。
- 肝細胞癌におけるTAE、PEIT、肝切除の適応・禁忌を理解ならびに経験する。
- 胆石症、胆道系感染に対する診断、治療選択ができ、治療を経験する。
- 閉塞性黄疸の診断、治療選択ができ、治療を経験する。
- 消化管出血の診断ができ、治療を経験する。
- 胃洗浄ができる。
- 食道静脈瘤治療を経験する。
- 腹水穿刺ができる。
- 吐・下血、腹膜炎などの腹部救急疾患への初期検査・治療ができ、速やかに専門医への連絡を行える。
■ 主な消化器疾患
食道・胃・十二指腸疾患(食道静脈瘤、胃癌、消化性潰瘍、胃・十二指腸炎)小腸・大腸疾患(イレウス、急性虫垂炎、痔核、痔ろう)
胆嚢・胆管疾患(胆石、胆嚢炎、胆管炎、胆管癌、胆嚢癌)
肝疾患(ウイルス性肝炎、急性・慢性肝炎、肝硬変、肝癌、アルコール性肝障害、薬物性肝障害)
膵臓疾患(急性・慢性膵炎、膵癌)
横隔膜・腹壁・腹膜(腹膜炎、急性腹症、ヘルニア)
悪性リンパ腫
■ 検査:検査法と読影
腹部超音波診断、上部消化管造影検査、下部消化管造影検査、上部消化管内視鏡検査、下部消化管内視鏡検査、ERCP、胆膵内視鏡検査、食道 胃 他の消化器官機能検査、腹部血管造影検査、XP単純撮影、各種CT MRI■ 薬物治療法
□H2ブロッカー □PPI □粘膜防御因子強化薬 □消化管運動改善薬、□止痢・整腸剤 □下剤 □炎症性腸疾患の治療薬 □肝疾患治療薬、□膵疾患治療薬 □悪性腫瘍の化学療法