放射線科研修プログラム
■ 一般目標
短期間の研修ではあるが、放射線診療に関わるすべてのモダリティを理解する必要があり、実際に自分でその装置を操作または経験してその原理や技術を学ぶ。この研修では、放射線診断、放射線治療、核医学の最低限の基本的事項を理解することにある。■ 行動目標
- 検査依頼医、診療放射線技師、看護師と協調し、日常診療で円滑に検査を進めることができる。
- X線解剖と正常像を理解し、異常像を指摘することができる。
- 造影剤を使用する場合の適応、禁忌、副作用、造影の仕方、撮影方法を理解している。
- 胸部単純X線写真で異常所見を指摘し、適切な単語を用いて表現することができる。
- 腹部単純X写真で異常ガスや異常石灰化を解剖学的に指摘し、主な病態を述べることができる。
- 腹部、骨盤部、表在臓器の超音波検査を自ら実施することができる。
- 上部、下部消化管造影検査を自ら実施することができる。
- マルチスライスCTの原理を理解し、適切なスライス厚、撮影ピッチ、撮影タイミングを選択できる。
- MRI検査の原理、適応、禁忌を理解している。
- MRIの撮像法での信号強度が何を意味するのかを理解している。
- がん取り扱い規約に従って各臓器の悪性腫瘍を病期分類することができる。
- 脳梗塞、脳出血、クモ膜下出血の画像所見を理解している。
- CT所見から急性腹症の鑑別診断を行うことができる。
- CT所見から外傷の損傷臓器と損傷程度を診断することができる。
- 各臓器の代表的な疾患については診断が行うことができる。
- Seldinger氏法で大動脈内にカテーテルを挿入することができる。
- 血管造影検査や肝動脈塞栓術等のIVR手技の介助ができる。
各疾患の進展度の把握を画像診断や触診で行い、腫瘍の発育形式を理解したうえで、外部照射の治療計画を行う。治療計画は、X線シミュレーションと治療用コンピュータであるFocusを用いて行う。使用する放射線のエネルギー、総線量、1回線量、分割回数、治療日数をそれぞれの腫瘍に適したものを決定する。放射線治療が開始すると、1週間に2回の診察を行い、治療効果と副作用を自分の目で確認する。さらに必要があれば入院治療を行うので、併せて照射患者の入院管理も行う。
- 放射線同位元素、放射線医薬品についての特性、取り扱いについて理解している。
- 核医学検査の原理、撮影方法を理解している。。
- 核医学検査の適応を判断することができる。
- 各種シンチグラフィの正常像を理解し、異常像を指摘し病態について分析することができる。