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上部消化管について

胃がんについて

胃がんと診断されたら

 国内において胃がんは、死亡率・罹患率(病気になる確率)がともに高く、以下のようにすべてのがんの種類の中でも死亡数・罹患数ともに上位に入っています。

がんの部位別にみた死亡数及び罹患数の多い順位 胃がんの場合(国立がん研究センター統計サービス2017年より)

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種別男性女性男女合計
死亡数2位4位3位
罹患数1位3位2位

 当院では治療はもちろん、消化器がんの診断にも力を注いでおり、早期診断・早期治療をモットーとして診療を行っております。胃がんの治療は「切除」が中心であることはこれまでと変わりありませんが、昨今の診断や治療については日々進歩があり、当院でも最新のガイドラインに準じて治療を行っております。
 胃がんと診断された方、もしくは胃がんを疑われた方は、お気軽に当院の消化器科外来へご相談ください。

胃がんの進行度

 胃がんは胃X線検査(バリウム検査)や上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)によって疑われます。上部内視鏡検査では、実際に病変の一部を採取し、顕微鏡の検査(病理検査といいます)に提出し、がんの診断を行います。それらの経緯でがんを強く疑う場合、ステージを決定し、治療方針を検討していきます。ステージは以下の3項目において決定されます。

①がんの直接の深さ(深達度)

 胃X線検査・上部消化管内視鏡検査・超音波内視鏡検査・CT検査等を用いてがんの深さ(深達度)を決定します。がんは粘膜(胃の内側)から発生し、胃の壁の中へ潜り込む形で大きくなっていきます。 がんが進行していくと胃の壁の中の血管やリンパ管から他の臓器へ流れていく「転移」をおこしたり、胃の壁の外まで到達しがんが散らばるような「播種(はしゅ)」といわれる病気の進み方をします。 

    

②がんの転移:リンパ節への転移の有無

 主に超音波検査・CT検査などによって、リンパ節への転移があるかを評価します。現在の胃がん規約では主に、リンパ節転移を疑う個数によって評価されます。

③がんの転移:他臓器転移の有無

 胃がんは、血管やリンパ管を介して他の臓器に転移をします。主な臓器としては、肺・肝臓が多いとされており、CT検査やMRI検査、PET-CT検査などを用いて評価されます。

胃がんの治療

 治療はステージに合わせて「内視鏡治療」「外科手術」「抗がん剤治療」などを選択して行います。
 早期の胃がん(ステージ1)のうち、粘膜固有層もしくは粘膜下層の浅い部分までのがんの深達度と考えられれば、内視鏡治療を選択します。その際には、病変部を内視鏡を用いて切除する「内視鏡的粘膜下層剥離術(ESDといいます)」を積極的に行っています。治療はスムーズに進めば1週間ほどの期間であり、退院後から通常の生活を送ることができます。

 内視鏡を用いても完治できないと判断した胃がんについては、外科的治療についてご案内させていただきます。当院では、消化器内科・外科のカンファレンスにて十分に個々のケースを検討し、適切な治療を提供できるよう心掛けています。
 進行した胃がんの場合には、治療を行うことによって逆にその後の生活の質を低下させることや生命予後を短くすると考えられるケースも存在します。その場合には、根治的な治療などは行わず、症状に合わせた姑息的な治療を行うこともあります。姑息的な治療には、ステント留置術・姑息手術(バイパス手術・減量手術)・放射線治療などがあります。

  • バイパス手術:がんによって狭くなったところを迂回するように腸をつなぐ手術
  • 減量手術
  • ステント留置術:内視鏡を用いて狭くなったところを広げ、食物が通るようにするためステントを入れる処置
  • 放射線治療:出血やがんの発育を抑えるために、胃がんに放射線をあてること

 以上、胃がんの診療についてご紹介させていただきました。わからないことなどがありましたら、まずはお気軽にお尋ねください。