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3.11 あの日、私たちが出来ることを全力で

東日本大震災を振り返る

未来への教訓

 2011年3月11日14時46分、
東日本を襲った巨大地震と津波
この未曾有の災害は、多くの命を奪い、
生活を一変させました
さらに、福島第一原子力発電所の事故が発生し、
広範囲にわたる放射線被害が問題となりました
燃料不足や物流の混乱、通信インフラの崩壊など、
次々と発生する問題が
被災地の人々の生活を脅かしました
このような状況下で、
医療機関としての迅速な対応を求められました

地域を守るための取り組み

混乱の中での情報共有

 震災発生直後、当院では災害対策会議を立ち上げました。震災直後の混乱の中、国や自治体、各医療機関の間で情報が錯綜し、被害状況や患者搬送の進捗を正確に把握することが困難でした。そこで、独自のネットワークを活用し、収集した情報を整理・共有することで、必要な医療支援を迅速に行える体制を整えました。通信手段の制約がある中で、PHSやWebメール、衛生電話などを最大限活用し、患者や医療スタッフ、関係機関との連携を図りました。

物流の混乱と医療資源の確保

 また、震災の影響により、医薬品や医療資材、食料、燃料の供給が大きく滞りました。医療現場では、必要な薬剤が確保できない状況が続き、処方内容の変更などの調整も余儀なくされます。また、ガソリン不足によって医療従事者の通勤が困難になり、病院の運営自体にも影響が及びました。こうした厳しい状況の中でも、職員一人ひとりが自らの役割を認識し、限られた資源を最大限に活用することで、地域医療の継続に努めさ、職員やその家族の安全にも配慮し、病院内での支援体制を整えることで、持続的な医療提供を目指しました。

被災地での医療支援と救護活動

 会津中央病院には、災害派遣医療チーム(DMAT)に所属する専門研修を受けた医師、看護師、業務調整員がいます。震災発生後、彼らは被災地へ出動し、救護活動を行いました。現場では、多くの負傷者や体調を崩した避難者が医療支援を必要としており、適切な処置とともに、安心できる環境を提供することが求められました。医療物資の不足、長時間の活動といった困難の中でも、DMATは迅速に対応し、地域の医療機関と連携しながら医療支援を続けました。

ヘリ輸送—陸路が途絶えた被災地への医療支援

 震災により、多くの道路が寸断され、通常の搬送手段が使えない状況に陥りました。そのため、ヘリコプターによる患者搬送が重要な役割を果たしました。当院のヘリポートには、全国からのドクターヘリや防災ヘリが次々と到着し、重症患者の受け入れを行いました。また、当院のヘリも被災地へ向かい、医師や医療資材を輸送し、より多くの命を救うための支援を展開しました。医療機関同士が連携し、航空搬送を活用することで、被災地の医療を支えることができました。

夜間搬送患者の受け入れ—医療スタッフ総動員での対応

 震災から1週間後の3月18日、夜間に相双地区から50名の患者が搬送されました。全国各地から救急車が集まり、消防隊や警察機動隊の協力のもと、スムーズな受け入れを実現しました。当院の医療スタッフは救命救急センターの職員だけでなく、各診療科の医師や病棟スタッフ、事務職員までが協力し、患者一人ひとりの状態を確認しながら適切な治療を行っています。

未来へのビジョン—震災の教訓を活かし、より強い地域医療へ

 この震災の経験を通じて、私たちは医療機関としての責任を改めて認識しました。災害時においても地域の皆様が安心して医療を受けられる環境を整備することは、私たちに課せられた使命です。
そのために、さらなる医療体制の強化に取り組み、医療資源の確保や災害時のオペレーションを見直し、より迅速かつ的確な対応が可能となるよう努めてまいります。また、地域社会との連携を一層深め、自治体や防災機関との情報共有の仕組みを強化することで、災害発生時における対応力を高めていきます。
 震災を振り返ることは、未来への道を切り開くことでもあります。この経験を糧に、私たちはより安全で持続可能な医療の提供を目指し、今後も尽力してまいります。組みを続けて参ります。