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睡眠はこころの健康のバロメーター

「こころの健康のバロメーターと言えばなんですか?」と訊かれたら、こころの専門家であれば「睡眠」と即座に答えられるものです。
不眠にならないこころの病はない、と言い切れるほど睡眠はこころの健康をよく反映します。食欲もこころの健康のバロメーターと言えますが、なんと言っても睡眠がナンバーワンです。

 睡眠障害には4種類あります。

  1. 入眠障害: 寝付きが悪くなる
  2. 中途覚醒: せっかく寝付いたのに、夜中に何度も目が覚めてしまう
  3. 早朝覚醒: 本当は朝7時頃までぐっすり眠りたいのに、朝4時~5時頃にぱっと目が覚めてしまい再入眠できない
  4. 熟眠障害: 睡眠時間としては長いのにぐっすり眠った感じがしない、いくら眠っても眠った気がしないと感じる

 睡眠に問題がなければ、少なくともこころに重大なトラブルはありません。もちろん生きていれば誰でもちょっとした悩みや心配事はあるものですが、ぐっすり眠れていれば大丈夫。「病」というほどの問題にはなっていないものです。
 だから自分や家族は大丈夫かな?と気を配るときには、「ちゃんとぐっすり眠れているか?」に注意すればいいですね。

こころの不調を治すために一番大切なことは?

 こころの不調の治療で一番大事なのは、ぐっすり眠ることです。ぐっすり眠れない限りこころの不調は良くなりません。
とはいえ、努力すればぐっすり眠れるというものでもありません。眠らなきゃ眠らなきゃと思えば思うほど眠れなくなりますよね。だから、眠れない方には眠れるようにお薬を処方することがあります。ぐっすり眠れるようになるだけでこころの不調は快方に向かいます。
 こころの健康は睡眠に始まり睡眠に終わります。

お酒はやめよう

 こころの調子が悪くなると、お酒に頼る人も多くいます。嫌な気持ちを紛らわせるために逃酒や深酒をしたり、寝付きの悪さをなんとかするために寝酒をします。
 しかしお酒に頼っている限りは、こころの調子は良くなりません。心療内科に通院しても、お酒をやめない人は良くなりません。こころの調子が良くなるまで、お酒は完全にやめましょう。
「飲み会ぐらいはいいんじゃない?」と言う人もいるかもしれませんが、飲み会での飲酒もあまりお勧めできません。こころの調子が良くない時にお酒を飲むと、たいていは泥酔するほど飲んでしまいます。それが良くないのです。飲み会でお酒を飲むのは、こころの調子が良くなってからがいいですね。飲み会の時だけどうしてもという場合は、生ビール中ジョッキ1杯までにしておきましょう。

 お酒は寝付きを良くしてくれますが、睡眠を浅くして睡眠の質を悪くします。こころの病を治すのに一番大事なことは、ぐっすり眠ることです。お酒では「ぐっすり」は眠れないので、寝酒は良くないのです。寝酒は体にも心にも毒です。お酒がないと眠れない場合は、睡眠薬で睡眠を確保します。こころの不調を治したいなら、お酒はやめましょう。
 治療で一番大事なのは、「お酒をやめて、良い睡眠を取ること」です。

受診の目安について

 最近はこころの不調で医療機関を受診することへの心理的抵抗は少なくなってきましが、風邪を引いた時のように「明日も大事な仕事があるし、さっさと病院に行って薬をもらおう。」と言うほど、お気軽ではないのが現状でしょう。こころの不調で医療機関を受診するには、それなりの覚悟が必要なものです。しかし、覚悟が決まるまで待っていると、遅すぎてしまうこともあります。
 では、適切なタイミングはいつでしょうか?

不眠や寝酒が2週間以上続いたら受診を

 こころの健康のバロメーターと言えば「睡眠」です。ぐっすり眠れてさえいれば心配はいりません。2~3日眠れないことがあっても、その後眠れるようになれば大丈夫です。逆に不眠があるようなら何らかの精神的不調がある証拠です。
 また、嫌な気分を紛らわせたいときや眠れないときにお酒に頼ってしまう人も多くいますが、深酒や寝酒は良くない対処法です。お酒を続けるとこころの不調は悪化していきます。
 不眠や寝酒が2週間以上続いたら、医療機関の受診をお勧めします。

 こころの病も身体の病と同じで、早く治療を始めれば早く治ります。軽い段階で受診すれば、良い睡眠を確保するだけで、自力で回復していく方はたくさんいます。
 こころが不調になることは、長い人生において誰にでも起こることです。その時に大切なのは、家庭生活や仕事・学校に大きな支障をきたすことなく、こころの不調をやり過ごすことだと思います。病院にかかるのを我慢して、悪化して、休職や退職、休学や退学してしまうのはもったいないですね。