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見えない病気を見つける力 〜放射線画像診断科のご紹介〜

副診療部 部長
放射線画像診断科 部長
鴫原 武志
TAKESHI SHIGIHARA

 病気の診断や治療において、画像診断の力は年々重要性を増しています。
私たち放射線画像診断科は、CT、MRI、PETなどの最新機器を用いて、
身体の中で起きている病気を「画像」というかたちで捉え、診断に役立てる専門部署です。
「画像を見る」だけが私たちの仕事ではありません。
病気の早期発見から、がん診療における病期の評価、さらには地域の医療機関との連携まで、
その役割は多岐にわたります。今回は、そんな放射線画像診断科の仕事の一部をご紹介します。

病気の診断や治療において、画像診断の力は年々重要性を増しています。
私たち放射線画像診断科は、CT、MRI、PETなどの最新機器を用いて、身体の中で起きている病気を「画像」というかたちで捉え、診断に役立てる専門部署です。「画像を見る」だけが私たちの仕事ではありません。病気の早期発見から、がん診療における病期の評価、さらには地域の医療機関との連携まで、その役割は多岐にわたります。今回は、そんな放射線画像診断科の仕事の一部をご紹介します。

 画像の“目”で拾い上げる、思いがけない発見 ── 偶然の発見が、命をつなぐこともある

 CTやMRI検査では、患者さんの症状に応じて特定の部位を中心に撮影が行われます。しかし、私たち放射線画像診断科の目は、常に“全身”に向けられています。たとえば、交通事故による腹部の検査を行っているとき。画像の端に、肺の末梢にあるごく小さな影が写り込んでいることがあります。それが、初期の肺がんだった──というケースも、決して珍しくありません。こうした依頼部位とは無関係な「偶発的ながん」を見つけ出すこと。それは、画像をただ見るだけではできません。細部に潜む異常を見逃さない“観察眼”と豊富な知識、そして経験が必要です。まさに放射線科医の真価が問われる場面です。近年では、画像診断の見落としが訴訟につながるケースも増加しており、精密で的確な読影の重要性は、これまで以上に高まっています。

 こうした背景の中で、専門的なトレーニングを受けた放射線診断医の存在は、診療の安全性を支える上で欠かせないものとなっています。

 私たちは常に全身を注意深く観察し、診療科を超えて患者さんの健康を守る“橋渡し役”としての責任を果たしています。画像の中にある“まだ見ぬ疾患のサイン”を見逃さず、患者さんの未来を守ること。それが、私たち放射線画像診断科の使命です。

がん診療における病期診断 ── がんの進行度を正確に把握し、最適な治療計画へ

放射線画像診断科は、がん診療の最前線で重要な役割を担っています。がん治療において、病期診断(ステージング)は治療方針を決定する上で欠かせない情報です。当科では、CT、MRI、PETなどの最新の画像診断機器を駆使し、がんの進行度や転移の有無を正確に評価しています。特にPET検査は、がん細胞の活動を画像化できるため、全身の状態を把握するうえで非常に有効です。

放射線画像診断科は、がん診療の最前線で重要な役割を担っています。がん治療において、病期診断(ステージング)は治療方針を決定する上で欠かせない情報です。当科では、CT、MRI、PETなどの最新の画像診断機器を駆使し、がんの進行度や転移の有無を正確に評価しています。特にPET検査は、がん細胞の活動を画像化できるため、全身の状態を把握するうえで非常に有効です。

たとえば、胃がんや大腸がんでは、リンパ節転移や肝転移、腹膜播種の有無が治療戦略に大きく影響します。CTによる腹部全体の精査や、MRIによる局所の質的評価、必要に応じたPETによる全身検索などを組み合わせ、病変の広がりを多角的に把握しています。これにより、手術適応の判断や化学療法の選択など、治療の方向性をより確かなものにすることができます。

 こうした情報をもとに、医師たちは最適な治療法を検討し、患者さん一人ひとりに合わせた治療計画を立てています。私たちは、画像診断を通じてがん診療のスタートラインを支え、患者さんが最善の医療を受けられるよう、日々サポートを続けています。

 当院では、320列・128列・64列のCT装置が稼働しており、なかでも320列CTは、きわめて高精細な画像を一度に広範囲撮影できる最新鋭の機器です。これにより、微小な病変の描出や血流動態のリアルタイム評価が可能となり、診断の精度とスピードが飛躍的に向上しています

 また、3テスラ(3T)MRIおよび1.5テスラMRIも導入されており、3T MRIではより高いコントラストでの撮影が短時間で実現可能。特に悪性腫瘍の質的評価や鑑別診断において、非常に有用な情報を提供しています。

 さらに、シーメンス社製のPET装置を用いた全身スキャンでは、がん細胞の活動性を捉える分子レベルの画像診断が可能となり、がん診療において極めて重要な役割を担っています。

地域連携と健診への取り組み ── “地域の画像診断拠点”としての責任

放射線画像診断科は、院内だけでなく地域の医療機関との連携にも積極的に取り組んでいます。

 会津医療センターや猪苗代病院をはじめ、近隣の開業医の先生方からの画像検査依頼にも迅速に対応し、検査・読影・報告までスムーズな連携体制を構築しています。また、当院健診センターでは、胸部CTやPET検査を含むがん検診を実施しており、特に肺がんの早期発見において大きな成果を上げています。

通常の胸部レントゲンでは見逃されがちな初期の小さながんも、CTでははっきりと描出され、症状が出る前の段階での対応が可能になります。

 こうした地域・健診での活動も、放射線科医の高い専門性と的確な読影によって支えられています。 「見逃さない診断」を通じて、私たちは地域の皆さんの健康と安心に貢献し続けています。

 チーム医療の一員としての取り組み ── 診断だけでなく、治療の現場にも深く関わっています

 放射線画像診断科は、診断の枠を超えて治療方針の検討にも参加しています。たとえば、毎週行われている産婦人科との合同カンファレンスでは、婦人科疾患の診断やがんの病期評価、治療方針について密に連携しています。

 また、子宮頸がんに対する術前化学療法(NAC)において、抗がん剤をがん組織に集中的に届けるカテーテル治療も放射線画像診断科が担当。子宮筋腫の治療法のひとつである「子宮動脈塞栓術(UAE)」も当科が担当しており、治療にも直接関わる体制が整っています。

最後に ── 画像の力で、診療のすべてを支えるために

 私たち放射線画像診断科は、患者さんと直接お話しする機会は多くありません。けれども、日々撮影される膨大な医用画像の一枚一枚に真摯に向き合い、その背後にある病気の兆しを見逃さないよう目を凝らしています。

 画像診断は、すべての診療科に関わる“医療の土台”です。診断の確かさが、治療の精度を支え、患者さんの未来を左右することも少なくありません。だからこそ私たちは、「見えない病気を、見逃さない」という信念を胸に、今日も一枚の画像から命のヒントを見つけ出しています。

 これからも、最新の技術と専門知識を活かしながら、患者さんと地域の未来のために、確かな診断を提供し続けます。